2015年4月16日木曜日

シューズの進化



週末はしゃぎすぎた代償か風邪をひいてしまい,喉痛,鼻水,咳に見舞われています。1週間ぶりに走る時間ができたのですが,残念。

練習できていないので,書くことがなかったのですが,ちょっと気になったことを。

普段雑誌というのはあまり読まないのですが,偶然手に取った雑誌を読んでうなってしまいました。

今月の「ランマガ」に,シューズメーカーONの協同創業者キャスパー・コペッティさんのインタビューが載っています。

これまで,シューズ選びの基本として,いかに脚の弱点を矯正し,補強するか,という観点が重要視されていたように思います。

O脚やX脚だと,足の甲が内側や外側にねじれてしまい(プロネーション),それが脚の故障を誘発する,だからそれを「矯正」する機能を持つ靴や中敷きを選ぶべき,と。

また,扁平足は疲れやすく,足裏のアーチによるバネが利かないため,これまた膝に負担をかける,だからやはり中敷きを利用して「矯正」すべき,と。

確かに自分自身,最初の大会で膝を痛め,以来かなりぶ厚いサポーターを着用しながら走っていますが,その理由は人並み外れたO脚と扁平足のせいだと思っていました。

ですが,コペッティさんによると,実はプロネーションが脚に悪影響を及ぼすという科学的根拠はないというのです。

それよりも,矯正されるとそれを戻そうと身体が無駄なエネルギーを使ってむしろエネルギーロスになるので,矯正しない方がいい。大事なことは,自然な脚の動きを妨げないことだ,ということも書かれていました。

従来の考え方とある意味では真逆の考え方が提示されると,正直戸惑います。これまで主張されてきたことは何だったのか。どちらを信じればよいのか。


こういう例はこれまでにもあって,私が中学生の頃にα-GELやソルボセインといった衝撃吸収剤が開発され,どんなスポーツでも,脚の負担を軽減するために衝撃吸収と足首の保護が重要と謳われ,それを信じて靴を選んできました。

でも,最近は,吸収だけすると推進力を自身の筋力のみで生まなくてはならず,効率が悪いと言うことで,着地のエネルギーを推進力に活かす「高反発」製品が注目を集めるようになりました。

衝撃吸収と高反発,一見相反する機能に見えます。実際,数年前までは,Sub4より遅い人は衝撃吸収系,Sub3以上をめざす人は高反発系の様に能力によって使い分けることも推奨されてきていたと思います。

それが,最近は衝撃吸収と高反発の両方の機能を備えるという,禅問答のようなシューズも登場しています。

さらに,先ほど登場したコペッティさんによると,そうした商品の中には反発までの時間が短すぎて,人が着地して脚を上げるよりも前に反発が来てしまい,うまくエネルギーを伝えきれないものもある,とのこと・・・

どの時代のどんな考え方も,そう言われると,そうなのかな,と思ってしまいます。

その時々で流行る「考え方」があり,その考え方が支持されると,それに従った商品が量産される。マーケットで大事なのは,いかに新たな「考え方」を支持してもらうか,さらには,適切な時期に支持される「考え方」を提案していくことなのだろうと思います。

そういう点で行くと,正直私は,シューズ選びがいつもうまくいかなくて,常に足に痛みを抱えながら走っていましたが,「矯正幻想」を信じていたので,痛いのは自分の脚の問題と我慢していました。
そんな時に今回この記事を読んで,矯正幻想から一度離れて,違う観点からシューズを探してみようと思ったクチなので,新たな考え方を支持した一人と言えます。

こういう人が今後増えていくことで,流行りが移行していくのでしょうね。
この先の潮流を興味深く眺めたいです。


2 件のコメント:

  1. 私が学生の頃のマラソンシューズは、オニツカ(アシックスの前身)のマジックランナーです。一度はいてマラソンを走ると、親指の所に穴が開く。かかとの補強なし。靴底は柔らかい素材と地面にあたる面が固い素材の二層。かかとの部分も大して厚みなし。ズック靴の改良版のようなものでした。その後、プーマ、アディダス、ナイキ(NIKEをナイキと読めなかった)が手に入るようになり、インナー、インソール、かかとの補強、かかとの厚み、クッション性など、多くの機能が現在のシューズには組み込まれています。アメリカの整形外科関係の雑誌によると、シューズの進化とランニング傷害の間には関係がなかった、というショッキングな報告もあります。すなわち、会社の宣伝につられて様々な機能を付けた、高価なシューズが紙上をにぎわしているということになります。その反省から、世界ではベアフット(裸足)ランニングが流行しています。
     要するに、シューズやインソールで矯正するにはそれなりの時間がかかるということです。急に矯正してもかえって負担(ストレス)になる恐れがあるということです。
     O脚の場合、日頃の歩きから意識して内モモ(内転筋)を占めることです。日頃の努力が必要なのですね。

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  2. コメントありがとうございます。
    シューズの進化とランニング傷害に関連がないというのはショッキングですね。
    やはりアイデアというのは,本来の機能とは独立した,購入してもらうための情報の一つに過ぎないのですかね。
    そういうものに踊らされず,自分の体験から自分にいいと思うものを選んでいく姿勢が重要だと再認識させられました。
    また,日頃からガニ又歩行には気をつけたいと思います(笑)

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